川で陶芸体験!?

2016年7月1日(更新日:2017年3月7日)
その他の遊び方

1、川で陶芸体験ってどういう事?

はじめまして!川遊びが大好きな札幌在中のおっさんです。
本日はちょっと趣向の変わった遊び「川で土器を作ろう!」というお話をご紹介致します。
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(畑で採れた粘土で作った土器達。)
(出典:http://www.eonet.ne.jp/~mizui/iseki/sueki.jpg)
川で陶芸体験!と聞いたら皆様はどんな疑問を持つでしょうか?
本当に作れるのか?どんな道具を使うのか?
どこの場所でも作れるのか?
などなど沢山の疑問があるかと思います。
でも大丈夫です。江戸時代くらいまでは普通に
子供達がやっていた遊びです。
お金も技術もいりません。軽い泥遊びに毛が生えた程度の
簡単な遊びですのでご安心ください。
今、巷で人気の高価な備前焼でさえ元々は農民が畑の泥で作った陶土器です。
本当に簡単にできます。陶芸で作るものには大きく2つがあります。
陶磁器と陶土器の2種類です。
皆さんが日頃、日常生活で手にしている
器やコップ、お皿などの食器はすべて「陶磁器」です。
(↓陶磁器は薄くて耐久耐熱に強い素材です↓)
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(出典:http://kn-dream.sakura.ne.jp/sblo_files/jiyuu-4nen/image/E3818AE79ABF-thumbnail2.jpg)
今回ご紹介する川での陶芸体験は陶磁器ではなく
完全に粘土岩から作る「陶土器」です。
陶土器は磁器粘土に比べ、ゴツゴツしていて見た目も地味なものが
多いのが特徴です。
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(筆者の川で採れた粘土で作り焼いた作品達。)
また、磁器に比べ、熱や急冷に弱いという特徴もあります。
現代では陶土器は滅多に見なくなりました。
しかし、500年前くらいまでは普通に日常生活で使用していたものですし
何より農民達は自分達で自分達の器を作っていました。
それくらい身近で生活の一部に「陶芸」はあったのです。
勿論、土器であっても通常通り不自由なく食器として使用できます。

2、川でどうやって粘土を見つけるの?

皆様の大好きな川には至る所に粘土層の地層があります。
日本にはほとんど、どこの都道府県の山川にも粘土層がありますので
発見できるはずです。
実際に僕は
上記と同じ質問を高校生の頃、陶芸の師匠に聞いた経験があります。
「どんな所に粘土ってあるんですか?」と。
師匠は「どこにでもあるよ。」と答えてくれました。
その言葉通り、どこの場所にも深さは違えど必ず粘土層はありました。
(根拠:土木作業の仕事を過去にしていてショベルで全国の道路の下を掘る仕事の経験より。)
特に川という場所はいくつも地層が織り込む場所なので土肌の見える場所には必ず粘土はあります。
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(出典:http://www.geo-yokoi.co.jp/Picture/SGT63A3.jpeg)
ポイントは物凄く簡単!
指で対象の土を潰して粘り気があるように感じたらそれは粘土です。
多少、粘り気が足りなくても基本的には全く問題ありません。
(中南米地方では土を焼いてレンガ替わりにしているくらいですから。)
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(出典:http://bsbs.weblogs.jp/photos/uncategorized/2007/07/24/01aug2007_adbe_2.jpg)
気になる方は「きぶし粘土」と呼ばれる専用の「土を粘土にしちゃう粘土」もあるので
通販などで購入しあらかじめ持っていき混ぜて使ってみるといいでしょう。
自分の採った粘土に3割ほど、このきぶし粘土を混ぜれば、どんな粘土でも土器を作れる万能粘土です。
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(出典:http://item.rakuten.co.jp/maruisi-nendo/10000179/)
さて、粘土の種類ですが泥状のものでは成型できないので
必ず、固形になっている粘土や粘土岩を探しましょう。
粘土岩はだいたい地表から「砂⇒土⇒粘土岩」の位置にあります。
川などでは土砂崩れなどで地層がむき出しになっている場所が多くありますので
そこから、小さいスコップなどで軽く削ると簡単に採り出す事ができます。
だいたい川ならどこでも採れますが出来れば上流よりは下流近くの方が採る際には適しています。
よく、専門雑誌などではショベルカーなどで大掛かりに粘土岩の層を掘り出していますが
遊びの範囲でする事なので多少、粘土っぽくなくても草や砂が混ざっていても気にせず
どんどん挑戦してみましょう。

3、実際に作ってみよう!

では、粘土岩が見つかったら早速、成型していきましょう!
手で掘れる場所で採れる粘土岩は手でこねれば簡単に成型できますので
粉砕機など使わなくても大丈夫です。
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写真のように草の下にある粘土層は柔らかいのでお勧めです。
「ろくろ」など買わずにその場で豪快に手びねりで成型していきましょう。
川の水を手に含ませながら、丸くボール状にします。
(※ここで注意点!※水は手に湿らせる程度です!ろくろ成型時のようにべちゃべちゃにすると
かえって成型しずらくなります!)
続いて親指を思い切ってぐっとボール状の粘土の奥深くまで突き刺します。
(これが器の底になります。)
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あとは、刺した親指の箇所から徐々に薄く形をそれっぽくしていくだけです。
「鉢」でも「ぐいのみ」でも「器」でも何でも簡単に
川でその場で成形できます。
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成型が完成したら、あとは弱火のたき火に投入するだけです。
火は弱い火にしてください。700度以上の火にいきなり粘土を入れると、割れたりヒビが入ります!
最初は火に直接当てずに離して乾燥させていくイメージです。
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(出典:http://www.city.shiraoka.lg.jp/secure/11448/imgp2714.jpg)
作品に「すす」がついてきたら、そのまま火に投入します。
灰をかぶせたり、適度に位置をずらしたりしながら
器全体に熱が行き届くようにします。
あとは自然に火が消えるのを待って灰から出せば完成です。
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(出典:http://livedoor.blogimg.jp/norfolkterrier/imgs/7/f/7f0221a1.jpg)

(↑わかりやすい動画はこちら↑)
出典:Youtube[1993Touroji https://www.youtube.com/channel/UCpnqzJDEhMRoZbTi0mXetvA]

筆者はキャンプの2日目などで
「そこの川で採れた粘土で土器作ったよー!」と言って
その土器で朝コーンスープなど飲んでいたら一緒に来た友達に必ず驚かれます。
それくらいアウトドアで土器を作る!という遊びを知らない人が多いのだと思います。
土器を水が漏れない程度に燃焼する事を「素焼き」と言います。
さらに素焼きした土器を再度燃焼し、800度以上の火で焼くと土器の表面に
ガラス状の膜が出来ます。これを「釉薬(ゆうやく)」と言い
さらに、自然の木などで焼いて自然についたガラス状の膜を「自然釉」と呼びます。
実はBBQ程度の火でも900度くらいまでの火に出来ますので自然釉をつける事はできます。
筆者の自宅にも川から採った粘土で作った
自然釉の「ぐいのみ」が何個もあります!
(妻はガラクタと呼びます!笑)
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(これは筆者が北海道の石狩川で採った粘土でそのまま、その日にキャンプで焼いた作品です。
ちゃんと自然釉ものっていて本格的にできます。)
「川で陶芸体験!?」
本当に簡単にできますのでぜひお試し下さい。

著名:長野 雄大

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