テンカラとは?道具やキャスティング方法~アワセのコツまで。イラスト付!

2014年10月26日(更新日:2023年3月6日)
アイテムテンカラ

目次

竿と糸(ライン/ハリス)、一つの毛鉤だけで完結するスポーティな釣り、テンカラ。
沢登りや川遊びの合間にシンプルなタックルで楽しむことも出来て、川遊びマップにはとても親和性が高いです。
こんな感じでテンカラの魅力をお伝えします。

1、テンカラってどんな釣り?
2、テンカラで釣れる魚は?
3、テンカラに必要な道具は?
4、釣ってみよう – キャスティング方法
5、釣ってみよう – ポイントへのアプローチと毛鉤の流し方
6、釣ってみよう – アワセのコツ

今回説明に協力頂いたのは「テンカラ大王」の名で知られる、愛知工業大学 石垣先生です!
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【石垣尚男】
テンカラ歴は30年以上。大学で教鞭をとりつつ、渓流シーズンになると美形魚を求めてテンカラザオを振る。国内のみならずアメリカなど海外でも活動し、テンカラの普及に努めている。著書に『超明快 レベルラインテンカラ』(つり人社)等がある。DVD『テンカラ大王のアタリパターン解析 テンカラHit Vision』(つり人社)にも出演。

最新作は日本初のHowTo形式テンカラ動画 MasterTenkara(マスターテンカラ)

 

1、テンカラってどんな釣り?

渓流に生息するヤマメやアマゴ、イワナなどを1本の毛バリで釣る釣法をテンカラという。テンカラは日本に古くからあった釣りで、毛バリ釣り(テンカラ)のもっとも古い記録は明治11年、当時の英国公使パークスが立山登山したときに随行した書記アーネスト・サトーの『立山登山日記』とされている。もっと以前からあったのは間違いないが記録が残っていない。

毛バリ釣りは山間僻地の蛋白源確保のための職業漁師の釣りであり、そのため先祖伝来の奥義、秘伝の釣りなどと思われているが、その仕掛け、釣法はシンプルでありタックルの進化により現在では誰でもできるスポーツ性、ゲーム性の高い釣りとなっている。
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テンカラの魅力

渓流を遡行するテンポのよさと魚が毛バリに出る瞬間を見て掛けるという他の釣りでは類を見ない点が特徴であり、さらに元来が職漁師の釣りなので効率的で、そして攻撃的な釣りでもある。毛バリは通常1種類で、フライフィッシングのように毛バリを頻繁に交換することはない。
食い気のある魚だけを釣るため、出る、出ないの見切りが早く、次々とポイントを換えていくスピード感は魅力の1つである。

ヤマメ、アマゴ、イワナなどの警戒心の強い魚がバシャッと水面を割る瞬間は初心者なら間違いなくドキッとして心臓ドキドキ、息ハーハーである。警戒心の強い見えないはずの魚が一瞬姿を見せるだけで興奮するのである。テンカラはたとえ掛からなくてもその瞬間を見ただけで十分満足できる釣りである。
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2、テンカラで釣れる魚は?

テンカラのターゲットはヤマメ、アマゴ、イワナである。これらは日本固有の渓流魚である。ところによってはニジマスも対象になる。ヤマメ(山女魚、山女)、アマゴ(雨子、雨魚)ともサケ科の淡水魚で、アマゴとヤマメは亜種の関係である。ヤマメとアマゴの違いはアマゴには体側にかけて朱点があることにより区別する。ヤマメ・アマゴとも体側に斑紋模様(パーマーク)があり、成長とともに次第に薄くなる。
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ヤマメ・アマゴの体型が扁平であるのに対し、イワナは寸胴で丸い体型をしており胸ビレを使って陸上を移動することもできる。
扁平な体型のヤマメ・アマゴは遊泳力があり、テリトリーも広く遠方の餌も積極的に追う。テンカラでも毛バリへの反応は敏捷であり、スレた渓流では一度毛バリを触って掛け損ねるとその魚は二度と出て来ない。
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丸い体型のイワナは遊泳力がなく捕食範囲は狭い。イワナは岩につく魚「岩魚」と書くように岩の下などに潜み、上からおちてくる餌をとり、積極的にテリトリーを越えて餌を追うことは少ない。毛バリを触っても何度でも出ることがあり、ヤマメ・アマゴに比較して鈍重の感は否めない。
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このため混生域では瀬ではヤマメ・アマゴ、川岸の石の下やキワではイワナのように棲み分けることが多く、テンカラでも両者の行動パターンを知って狙うと目的の魚を釣ることができる。

3、テンカラに必要な道具は?

テンカラ・イズ・シンプル!
竿とライン、ハリス、毛鉤さえあれば釣れる。

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テンカラではシンプルなシステムや結び方にするのが効率的である。
下イラストのようにリリアンとライン、ラインとハリス、ハリスと毛バリの結び方が同じなので慣れてしまえば簡単に仕掛け交換ができる。

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4、釣ってみよう – キャスティング方法

頻繁に振り込みを繰り返すテンカラではキャスティング、つまり狙ったところに正確に毛バリが飛ぶことはテンカラの半分を占めるくらいに大事なテクニックである。

キャスティングの原理を知る

ここではレベルライン(太さが均一なライン)のキャスティングについて説明する。なぜ細いレベルラインが飛ぶのか理解する必要がある。一般的にテーパーラインは数本のラインを撚ったものなので重い。重いラインなら振ることは簡単である。むしろ重いため、逆に力が入りすぎるとラインで水面を叩くことにもなり、かえって力を入れないようにコントロールしなければならない。
これに対しレベルラインは軽い。同じ重さなのに細い。細ければ空気抵抗が少ない。これはハリスが細いほど水の抵抗がなく自然に流れるのと同じである。
軽いラインを飛ばすにはパワーが必要である。パワー=重さ×スピードである。つまり軽いラインの場合にはスピードをつければ同じパワーを得ることになる。レベルラインのキャスティングのキーワードは「スピード」である。

キャスティングイメージ

以下のキャスティングイメージイラストを見て、練習しよう。

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5、釣ってみよう – ポイントへのアプローチと毛鉤の流し方

振り込みの前にアプローチに気をつけよう。

元来、人を見ることがない深山幽谷の渓流魚はまったく警戒心がなく、石を落とすなどのよほどのことがなければ人を見て逃げることはない。しかし現在ではそのような場所はまずないと言っていいだろう。解禁から禁漁まで連日、釣り人の姿を見ない日はない昨今、警戒心が強く神経質になっている魚をいかに警戒させずに釣るか、そのテクニックを身につけないといい釣りはできない。釣る人、釣れない人の違いはアプローチの違いにもある。警戒させ追いこんでからその魚を釣ろうとしてもダメなのだ。その点に無頓着な人が意外と多い。

魚に警戒されない釣り人の行動

■下流から釣り上がる
渓流釣りの原則は釣り上がりである。なぜならほとんどの魚は上流を向いているからだ。いかに視野が広い魚といえども下流からのアプローチは死角になる。

■猫足で歩く
釣れない人に共通しているのは歩き方が荒いことである。河原の石をガツガツ音を立てて歩いたり、バシャバシャ水しぶきをあげて歩く。魚は振動に敏感である。

■ゆっくり立ち上がる
渓流魚はサッと立ち上がるような急な動きに対して警戒する。ゆっくり動くものには無警戒である。おそらく天敵である鳥などが急な動きをするからだろう。

■石や岩に隠れてキャストする
石や岩があればそれに隠れるようにする。本当に神経質な魚の中には竿の動きだけでも逃げ込むのがいる。そういうのはまず大物である。警戒心が強いからこそ生き残ったのだ。

■できるだけ離れてキャストする
竿先の届く範囲の魚には自分の存在はすべて気づかれていると思った方がいい。夕マズメの暗くなる寸前では足元で釣れることもあるが、そのようなことはマレである。できるだけ遠くからキャスティングするようにしよう。

毛鉤の流し方

毛バリは流れなりに流すのが基本である。沈むようであれば沈めればいい。
魚は毛バリが偽物であることはわかっていない。口にくわえて違う!と初めてわかる。
どこで餌ではないとわかるかと言えば毛バリの流れ方や動き方である。

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6、釣ってみよう – アワセのコツ

合わせは「出た!」のを見てちょっと間をおけばほとんど合うのだが、魚が見えるだけに戸惑いも多い。合わせをわかりやすく解説する。

最短0.2秒で離す

自然に流すということは竿とラインで毛バリを吊らないことでもある。ラインやハリスが緩めば毛バリは自然に沈む。魚は毛バリを口にくわえて違和感を感じると吐き出す。モゴモゴしてペッと吐き出す。鉄と羽根という本物とは違う違和感があるのだろう。ハリスが緩んでいれば長い場合には2秒も3秒もくわえていることがある。
実際の釣りでは合わせをくれるので、魚にとっては金属などの違和感より先に合わせによってハリスに引っ張られることになる。これが違和感になり反射的に口をあける。アマゴが違和感を感じてから口をあけるまでの時間はわずか0.2秒である。

では、これに負けまいと魚の出を見て合わせをくれ、実際に毛バリが動き出すまでのタイムラグは0.3秒であった。つまり、アマゴの最短時間と勝負しても勝ち目がないことになる。

ハリスを張って流さない

つまり魚の最短時間と勝負しないことである。それにはハリスを張らずに緩めて流せばいいのだ。そうすればハリスに引っ張られる違和感を感じるまで魚は毛バリをくわえているのである。

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以上、石垣先生のテンカラレクチャーでした!

「どこで釣ればよいの?」について、石垣先生曰く、初心者はC&R(キャッチ&リリースエリア)や管理釣り場から始めるとよいとのことです。
まずは1匹でもテンカラで釣って楽しさを感じることが大切ですね。

もっと詳しく知りたい方には、石垣先生の最新作で日本初のHowTo形式テンカラ習得動画、MasterTenkara(マスターテンカラ)がおススメです。

0から始めるテンカラが章立てで学べます。

 

以下はテンカラで必須となる道具の商品紹介です。
■竿
最初はこのくらいのもので十分で、高いものを購入しても折ってしまう可能性が高いのではと考えています。

■ライン

■ハリス

■毛鉤

■仕掛巻
移動時に仕掛けを仕掛巻に収納して移動することが多いので大活躍します。

この他に偏光グラスは、水面のぎらつきを抑えてくれ、アマゴなどが毛鉤に出る瞬間が見やすくなるのであると良いです!

ちなみに、2016年7月から遊漁券がネットで超簡単に買える『つりチケ』がリリースされました。登録漁協の遊漁券がインターネット上、アプリでいつでもどこでもオンライン購入が可能です。
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事前に購入して用意しておけば、目当ての川に着いたらすぐに釣りが楽しめます。これは画期的。

これで、朝早く行って店が開いていなかったり、販売所に寄る時間が余分にかかってやきもきすることもなくなり、釣りに時間一杯使えますね。



つりチケでは、遊漁券をオンライン販売してほしい漁協も随時リクエスト受け付けていますので、どしどしご連絡ください。その声を漁協に届けます。
つりチケのリクエストフォームからリクエストを送って下さい。

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