外来種を食べてみる!ミシシッピアカミミガメの鍋

2021年2月9日(更新日:2021年2月9日)
BBQ・クッキング

「ミシシッピアカミミガメ」をご存じですか?

最近はテレビでも取り上げられるので、知っている人も多いですよね。

本来はアメリカなどに生息しているのですが、日本で増えてしまった外来種です。

ミシシッピアカミミガメの問題

増えたミシシッピアカミミガメは日本の環境に影響を与えています。各地で駆除をしているようですが、なかなか減少には至っていません。

駆除後は基本的に焼却処分されているようです。元はと言えば放した私たち人間が悪いのに、今度は駆除して焼却処分。ミシシッピアカミミガメには本当に申し訳ないです。

しかし日本の環境に影響を与えていることも事実・・・せめて何か有効活用する方法はないのでしょうか。

調べていくと、食用や堆肥として利用できないかと取り組みも進められているようです。

でも、なかなか採算が取れないなどの問題もあり進んでいないのが現実。

特に食用としては、可食部が少ない、調理の工程が大変とのこと。実際どのくらい大変なのでしょうか、気になります。

そこで今回は、前回のアメリカザリガニに続き、ミシシッピアカミミガメを食べてみようと思います。

捕獲、泥抜き

アメリカザリガニと同じように、ミシシッピアカミミガメも川や用水路など、どこでも見つけることができます。

今回捕獲したのは、甲羅の長径25cm、短径20cmくらいのミシシッピアカミミガメです。

捕獲したら、しばらく真水に浸けて泥抜きを行います。

捕獲した個体はかなり泥臭かったため、今回は約3週間泥抜きを行いました。

期間が長いためエサも必要だろうと思い、冷凍のシラスを2日おきに一つまみ程度与えました。

準備

処理の方法は、ネット等に出ているので割愛しますが、かなり準備と気合が必要でした。

一人では心もとないので友人に付き添ってもらい、かかった時間も全部で1時間以上。

命をいただくというのは本当に大変な事。命の重みを痛感します。

※淡水の生物は、寄生虫・ウイルス等による感染症や食中毒に注意が必要です。
特にカメ類はサルモネラ菌という食中毒菌がいることがあります。

寄生虫・ウイルスは熱に弱いので、今回は食材に火をしっかり通す、火を通す前の食材や食材に触った手で台所や調理器具を汚染しない等の注意が必要です。

下茹で

台所を菌等で汚染しないため、今回は処理から下茹でまで屋外で行いました。

まずは塩で下茹でです。

こちらが1匹分の肉。元の大きさと比べると、非常に少ないです。

処理に時間もかかっているので、労力に見合った量とは言い難いです。

茹で汁は、表面に結構アクが浮いていたため廃棄しようかと思ったのですが。

友人と「せぇの」で味見・・・思わず二人とも固まりました。

すっごく美味しい。

まったく臭みもなく上品で美味しい出汁が出ていました。

ということで、廃棄は取りやめ。アクを除いて料理に使う事に。

今回は料理まで日数が空くため、冷凍保存することにしました。

調理

さて調理の日。

当初は、臭いが心配だったのでニンニクで揉み込んで唐揚げ等を予定していました。

が、臭みがなかったのでシンプルに大胆にメニューは鍋です。

何と味付けは、塩のみ。

そして実食。

出汁が非常に美味しいです。

塩だけとは到底思えない。

肉は、食べられる部分が非常に少なかったので、かじる程度でしたが、臭みもなく少し硬めで繊維質な鶏肉のようでした。

初めて食べたミシシッピアカミミガメ鍋は、塩鶏鍋のようにあっさりと、それでいて旨味のある美味しい鍋でした。

これだけの味なら、外来種問題を考えるきっかけとしてミシシッピアカミミガメを食べるというのはアリなんじゃないかと思いました。

  by ユキコ

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