水切り講座 第3回 石の投げ方~初級編~《世界チャンピオンが教えます!》

2018年2月13日(更新日:2023年3月6日)
水切り

こんにちは。水切りチャンピオンの橋本です。

前回の更新からだいぶ間が空いてしまってすみません。
その分いつもよりちょっと長文なのでご容赦ください。
今回は、石の投げ方について紹介します。
私が水切りを熱心にするようになったのも、「川」という場所と「投げる」という行為が好きだったからです。
そのため、「投げる」ことにはとてもこだわりがあります。
良い投げ方とはなんなのか、いつも考えています。
今回は、私が投げ方を考える上で、特に重要、かつ初心者の方も意識しやすいポイントを投げ方のコツとして紹介します。

 

 1.低い位置から投げる。

基本的に、石が水に入っていくときの角度は「低い」ほうが跳ねやすいです。
低い位置で石を離して、まっすぐ水に投げ入れるといったイメージを持つとよいと思います
そのためには、体をまっすぐにせず、少し前かがみになって投げるとよいです。
体を斜めにすれば、腕を振ったときに自然と石を離す位置が下になります。
腰くらい、できれば膝くらいの高さで投げられるとよいしょう。

 

2.横回転をかける。

水切りでもっとも重要なのは石の回転です。
回転には、石の軌道と姿勢を安定させる効果があります。
我々は、適切な軌道と姿勢、そしてある程度のスピードを与えることで石をうまく跳ねさせようとします。
しかし、空気抵抗や水の抵抗によって、跳ねるための条件は崩されてしまいます。
風や波があるとさらに安定性が失われます。また、石のスピードが速ければ速いほど、抵抗は大きくなります。
そこで回転の力が必要になってきます。
回転によるジャイロ効果により、石の軌道や姿勢が崩れにくくなり、跳ねるための条件を保ちやすくなります。
きれいな横回転を与えるのはどうしたらよいか。
まずは指をしっかりひっかけることです。そして、腕の振りに沿って、人差し指から自然に抜けるように石を離す。
基本的にはこれだけです。手首のスナップを利かせるイメージがある人もいるかもしれませんが、手先で回転をかけようとすると上手くいきません。
体を使って、腕をしっかり振って、人指し指から抜ければ、しっかりとした回転がかかります。

先ほど少し触れましたが、石のスピードが速いと、空気や水の抵抗が大きくなり、条件が崩れやすくなります。
そのため、石にスピードを与えすぎると、途端に水切りは難しくなります。
肩の強い人などは、あまりスピードを出さないようにすることで上手くいくようになることがあります。

 

3.胴体をしっかり回転させて投げる。

腕だけで投げると、石に十分な回転がかかりません。
これは今のところ経験則ですが、胴体の回転を上手く使うと、あまり腕に力を入れずとも、
石に回転がしっかりかかります。
腕を前後に大きく広げてから、腰を回しながら前の手で後ろに引っ張ります。
そうすると、投げる方の手の肩、ひじが自然に振られて、鋭い腕の振りになります。
体の回転に腕が巻きついてきて、ムチのように使えるといいですね。
手先だけで投げない、ということが大切です。
では、写真つきで実際の投げ方を説明します。
私が普段やっている投げ方は少し複雑なので、熊谷水きり倶楽部が推奨している、膝つき投法を紹介します。

これは、誰でもちょっと練習すればピピピピピっと小気味よい水切りができるようになる、
必殺技のようなものです。
それだけでなく、自分の投げた石の軌道と姿勢がわかりやすいという利点もあり、
初心者にぜひおすすめしたい投げ方です。
私はいまいち石の姿勢が悪い時など、確認するために行うことがあります。
体のぶれがほとんどないため、安定した投石ができるということで、大会本番で行う上級者もいます。
以下では右利きの人基準で右手、左手と呼びます。左利きの人は逆に読みかえてください。

 

1.右手側の膝をつきます。膝をつくことで自然に低く投げることができます。

2.「いーち」で手を左右に広げ、戻します。ここで体を大きく使う準備をします。
3.「にーい」で今度は体をひねりながら手を広げます。ここでしっかり右手を後ろに引きます。

4、「さん!」で腰から体をいっきにひねり、その勢いで石を離します。このとき、左手でしっかり引っ張ります。その勢いで右手が振り出されます。
膝付き投法は慣れるまでは窮屈かもしれませんが、とても効果のある投げ方です。
水切りが上達したい人はまずこれを試してみてはいかがでしょうか。

石の握り方、選び方、投げ方、と技術的な話は一通りしたので、次回からは水切り大会の紹介をしようと思います。
日本、そして世界各地で水切り大会が開かれています。


水切り遊びは皆が知っていても、その大会があることは結構知られていないので、
ぜひ皆さんに知ってもらいたいと思います。
橋本桂佑

スポンサードリンク




PAGE TOP