今日もガサガサ日和 Vol.35 水生昆虫は絶滅寸前

2016年10月11日(更新日:2017年2月6日)
ガサガサ

水辺に棲んでいるのは魚ばかりですありません。水生昆虫と呼ばれる仲間も、中々に魅力的です。多くは小さな魚などを捕えて、尖ったクチバシを指して体液を吸います。

メダカを狙う、ミズカマキリ
メダカを狙う、ミズカマキリ

多くの水生昆虫は、お尻についている呼吸管を水面から出して空気を取り込みます。忍法、水遁の術ですね。

卵を背中に乗せて守る、コオイムシ。
卵を背中に乗せて守る、コオイムシ。
まさか、カマツカを狙う?
まさか、カマツカを狙う?

捕まえて、自宅の水槽に入れておくと、すぐさまメダカに襲いかかります。前足でしっかりと捕まえて、ジタバタするメダカを離しません。

前足の動きが太鼓を打つ様なので、タイコウチ。
前足の動きが太鼓を打つ様なので、タイコウチ。

そして面白いのがこいつ、ヒメタイコウチ。水生昆虫なのに溺れてしまうのです。呼吸管が短いでしょ?水の中ではなくて、ジメジメと湿った、湿地の様な場所に澄んでいます。いつも水が染み出している山の裾野とか、田んぼの脇とか、川の水際とか。

「ヒメ」と付くのはだいたい、同種より小さい種類のことを指します。メス、ということではないです。

ヒメタイコウチ
ヒメタイコウチ
クロゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、ガムシたち

水生昆虫は激減しています。絶滅寸前です。僕もガサガサして滅多に出会えないです。圃場整備、護岸のコンクリ化、水際の消失。原因を挙げだしたらキリがありません。産卵できて、孵化できて、捕食できて、育つことができて、という一連のサイクルができる自然環境の連続性が保たれなければ。皆さんがお住いの地域はいかがですか?

伊藤 匠

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