ガサガサに必要不可欠な道具といえば「タモ網」である。他の道具はなくとも、タモ網だけは絶対に必要だ。タモ網は釣り用のものを含めると数多くあるが、今回はガサガサで用いるタモ網について絞って考えてみたい。
タモ? タモ網?
私の住む東海エリアで「タモ」といえば網の色は白くて、枠は丸、そして竹の長い柄がついるセミなどの昆虫を捕まえる網を指した。「網」は付けずに「タモ」と呼んだ。どうもこの「タモ」というのは方言のようで、他エリアでは用いないようだ。
全国的には「網」を付けて「タモ網」と呼び、釣った魚を確保するための柄付き網を指す。玉網(タマアミ)と呼ぶ場合は柄の短い網を指すようである。「タモ」はこの玉網が変化した言葉ではないか。
と思っていたら、タモ網には「攩網」という漢字があった。「攩」こんな漢字は初めて見たが音読みでトウ、コウ、オウ。訓読みでとも、たたく、とお、と読むらしい。「攩網」とは「竹や針金の口輪のついた袋状の網に長い柄をつけたもの。魚をすくい取るのに使う」と辞書には登場する。
これら諸説を俯瞰すると、攩網→玉網→タモ網→タモという具合に変化を遂げてきたと考えて差し支えないようだ。
一般的な青色のタモ網
ホームセンターなどで売られているタモ網といえば、このタイプがほとんどだ。網は青色で柄はアルミ製、網目は3ミリのものが多く、川底に設置する辺を底辺とした三角形がベースである。
接地辺は摩擦等ですぐに痛んで擦り切れてしまう為、ウレタンやアルミカバーで保護されているものが多い。網の袋部分の大きさ、口サイズ、柄の長さも様々ある。
最近は網の部分が柄と着脱でき、痛んだり破損したら付け替えられるものが多い。また、柄が伸縮するものも多く見られる。
長所と短所
長所は何と言っても軽さだろう。柄が1メートル程度の一般的なもので300g弱、子供や女性でも容易に使いこなせる。持ち運びも簡単だ。子どもが使用するにはのタモ網で十分である。
短所は耐久性の無さに尽きる。川底との接地辺以外は網が剥き出しで、石や護岸、ヨシなどの植物に引っかかってすぐに破けてしまう。また、網を通している針金が弱く、簡単に曲がってしまい、少し大きな生き物が入ったら耐えられない。
また、伸縮する部分はねじ込み式になっているが、砂などが入り込むことでバカになってしまい、固定されなくなることも多々ある。ここぞ、という踏ん張りどころで柄がクルクル回ってしまい、取り逃がすこともある。
それは私が通常の用に供するレベルを超えて酷使しているためであって、一般的な使用には全く問題ないことを断っておく。
ホームセンターで年中買える
タモ網はホームセンターであれば一年中買えるといっていいだろう。夏場であれば店頭の種類も豊富になる。価格も手ごろだ。直線のライン(設置辺)のところに保護カバーがついているものを選べばよい。
タモ網は一家に一本、否、一人に一本持っておくべきものである。欲を言えば、車一台にも一本あると尚良い。
なお、タモ網で捕った魚の持ち帰り方は、次の記事に詳しく解説している。ザリガニの持ち帰り方は魚とは違うため、別記事にまとめてあるので、そちらもご参考に。
ザリガニの持ち帰り方はこちら。
川遊びマップ編集長
伊藤 匠