ドジョウ徹底解説

2019年6月12日(更新日:2019年6月12日)
トピックス

童謡「どんぐりころころ」にも歌われるほど、昔から日本人にとって身近なドジョウ。
今回はドジョウの生態から特徴、飼育方法、病気の種類、入手方法まで、徹底的に解説します!

ドジョウの生態

ドジョウはコイ目ドジョウ科に分類される淡水魚。
大きさが全然違いますが、コイの仲間です。
魚なのでエラ呼吸ですが、特徴的なのが「腸管呼吸」。
水面に浮かびあがって口から空気を取り込み、お尻から二酸化炭素の泡を吐き出します。
腸管呼吸は水中の酸素濃度が低くなった時の補助的な呼吸として考えられてきましたが、腸に空気を取り込むことによって腸内の掃除をしているという説もあります。
また、皮膚呼吸もできるため、水の外に出てもしばらく生きられます。

(はせくらさんによるイラストACからのイラスト)

ドジョウの種類と生息地

ドジョウにはたくさんの種類がおり、様々な研究が進められています。
新しい研究の成果によって分類の仕方も年々変わっていくため、ここに記載した分類が古い場合はどうかご容赦ください。
ここでは主なものをご紹介します。
   

ドジョウ

通称「マドジョウ」ともいいます。生息地は日本全国の水田や川、池や沼などの泥底。冬は泥の深くまで潜り込んで越冬します。
成体の大きさは約12~15cmほど。気性は穏やかで、他の魚を攻撃することも基本的にありません。
   

シマドジョウの仲間

本州(山口県西部を除く)と四国に分布します。北海道や九州には生息しません。シマドジョウ類はその名の通り、体の側面に淡い黒色の斑紋が縞模様となって見えます。この斑紋ですが、地域によって違ったり、個体差があったりして、多様性があります。亜種も多く、区別は困難です。川遊びマップとも交流のある矢作川研究所によると、シマドジョウ類には地方名も多く、矢作川流域でははカンナメドジョウ、カワドジョウ、ケンドジョウ等と呼ばれるそうです(参考:豊田市産ドジョウ科魚類の分布と河川環境)。体長は8~15cmほど。生息地は、マドジョウとは水域が異なり、きれいな水の流れる川に生息します。

トウカイコガタスジシマドジョウ

   

ホトケドジョウ

本州の近畿から東北地方にかけて分布します。生息地は小川や上流部の湧き水など冷たい清流。水源の荒廃や開発工事等の影響で生息できる環境が減少し、環境省レッドリストで絶滅危惧種・ⅠB類に指定されています。体長は6cmほど。底に潜ることはほとんどなく、水草の間などを遊泳する習性があります。
   

フクドジョウ

北海道に自然分布しますが、宮城県や福島県でも移入が確認されています。国外では、シベリアやサハリン、中国の東北部、朝鮮半島に生息します。生息地は砂礫の川底です。砂礫の隙間を好んで隠れ住んでいます。体長は20cmほどで、マドジョウやシマドジョウ類、ホトケドジョウよりも大ぶりです。
   

その他の仲間

アジメドジョウ
日本特産。北陸、中部、近畿地方の大きな河川の上流に生息。体側に現れる暗い斑紋の形は不規則で、個体により大きく異なります。

アユモドキ
日本特産。琵琶湖周辺から中国地方に分布。ドジョウの仲間で唯一の天然記念物に指定されています。姿や泳ぎ方などが鮎に似ていることからアユモドキと呼ばれるようになりました。

ヒドジョウ
種としてはマドジョウと同一。マドジョウの色素が突然変異で減って黄色やオレンジ色になった個体を固定化させたものです。

ドジョウの特徴

生き物は、それぞれの好む生息場所に体を合わせて生きています。

たとえば体色を見ると、ドジョウは泥に混じるような体色。
シマドジョウとスジシマドジョウは細かな砂利や砂礫、砂などに混じるような体色をしています。

また、泥や砂にいつも潜っているので、遊泳中心の魚類(つまり泥や砂に潜らない魚類)に比べて体表のぬめりが強く、泥や砂の摩擦によって傷がつきにくくなっています。

ドジョウの寿命

ドジョウの平均寿命をそれぞれ見てみましょう。もちろん個体差や環境などの条件の違いもありますので、平均寿命よりも長く生きることもあれば短くなることもあります。

ドジョウ(マドジョウ)

5~8年ほど生きます。
10年を超えることもあるようです。

シマドジョウの仲間

2~3年と、マドジョウに比べて短命です。
飼育下では4年以上生きることもあるようです。
  

ホトケドジョウ

だいたい2年前後と、やはりマドジョウに比べて短命です。
上手に飼えば5年以上生きることもあるようです。
  

フクドジョウ

寿命は不明ですが、他の種類に比べて水温の上昇や水質の変化に弱く、飼育の難易度が高いようです。

ドジョウの飼育

ドジョウは比較的飼育しやすい淡水魚です。
ここではエサや水槽、掃除(水替え)の頻度、飼い方のコツなどを見ていきます。
  

ドジョウの餌

ドジョウはどんな餌を食べるのでしょうか?
ドジョウ用の餌として、その名もズバリ「ドジョウの主食」という商品があります。水に沈むタブレットなので、水槽の底に暮らすドジョウにとって食べやすく、ドジョウに合った栄養バランスも考えられています。

川遊びマップ編集部の水槽では、シマドジョウ類の仲間(ハヤやカネヒラ、タナゴなどと混泳)には市販の「川魚のエサ」を与えています。これは細かい粉末状のエサで、水にあまり沈まないのですが、特に支障なく暮らしています。ドジョウは雑食なので、水槽内の藻や水底のプランクトンなどを食べているのかもしれません。実際、石についた藻をつつく様子も見られます。

また、マドジョウ(フナと混泳)にはフナのエサを与えています。こちらは少々大きめの粒ですが、水に沈むので、フナに混じって食べている姿を観察できます。
このように、底に沈んだ餌を食べるので、「水槽のお掃除屋さん」として他の魚と混泳させる場合もあります。
   

掃除や水替えの頻度

「水槽のお掃除屋さん」とも呼ばれるドジョウですが、かといってドジョウだけできれいな水質を維持できるわけではありません。定期的に水槽を掃除しましょう。
底石の隙間にたまったフンやエサの食べかすは、大きめのスポイトで吸い取ります。水槽の壁面についた藻は、ブラシでこすって落とします。

掃除のついでに水替えもしましょう。
水替えには、カルキ抜きした水を使います。
大型水槽の場合は水の入れ替えを1/3程度にとどめることで、水道水を直接入れてもカルキの影響はなくなります。
詳しくは『オヤニラミ徹底解説!』の水槽のお手入れの項をご参照ください。

掃除や水替えの頻度の目安は、夏場は2~3週間に1度、冬場は1~2か月程度に1度ぐらいです。
目立って汚れてきているときや、水槽内で病気が発生している場合は、その都度掃除&水替えしましょう。
   

飼い方のコツ 飛び出し対策を取る

ドジョウに限ったことではないのですが、飼っている魚が水槽の外に飛び出して死んでしまうという事故は時々あります。
ただ、ドジョウの場合は他の魚よりも飛び出し事故のリスクが高いようです。
その原因には諸説あります。

【考えられる原因】
・水中の酸素濃度が低くなると、息苦しくなったドジョウが「腸呼吸」のために水面まで出てきて、その際に飛び出してしまう
・ドジョウは強いジャンプ力を持っているため、驚いた時など暴れた拍子に水槽の外に飛び出てしまう
・飼い始めの頃など環境が急に変化したストレスや、水槽内の環境が快適でないストレスから飛び出してしまう

はっきりこれが原因だと言えるわけではありませんが、これらを考慮して飛び出しを防ぐための対策を取るとよいでしょう。

【対策】
・飼い始めの時に水合わせ(※後で説明します)をきちんと行う。
・エアーポンプを使用して酸素をちゃんと供給する。
・水槽に蓋をする。ただし、隙間のある蓋はお勧めしません。ドジョウの体は細いので、隙間をすりぬけて飛び出してしまうことがあるからです。
・ドジョウが落ち着いて生活できるよう、潜るための砂利や隠れ場所となる石などを用意する。

  

ドジョウを飼い始めるとき:水合わせの方法

ドジョウは生命力の強い魚ですが、一方でとても繊細な魚です。
ペットショップで購入したり、川で獲ってきたりして飼い始めるときは、まず最初にちゃんと「水合わせ」をしましょう。
「水合わせ」をして水槽の環境に慣らしてから入れてやることで、ドジョウのストレスを減らすことができ、飛び出し事故のリスクも減らせるはずです。

では、水合わせのやり方をご説明します。

【水合わせの方法】

ドジョウの入ったビニール袋を1時間ほど水槽に浮かべます。そうすることで、袋の中の水温と水槽の水温が等しくなります。

水温が同じになったところで、ドジョウの袋を水槽から引きあげ、別に用意したバケツに袋の水ごとドジョウを入れます。

それから、バケツの水を少量捨て、捨てた水と同じ量だけ水槽の水をバケツに入れます。この作業を、30分ぐらい時間をおいて3回ほど繰り返します。

そうして、いよいよドジョウを水槽に入れます。この時の注意点は、バケツの水を水槽に入れないこと。病気や寄生虫が混じっているかもしれないからです。

他の魚と混泳させるコツ

ドジョウは他の淡水魚と混泳させやすい魚です。
金魚やメダカとも混泳させることができます。
ここでは混泳させるコツを説明します。

 

ドジョウと金魚を混泳させるコツ

ドジョウと金魚は基本的に生活する層が異なります。ドジョウが水槽の底で暮らすのに対し、金魚は水槽の中間部から上層部で暮らすので、ケンカも起きにくいと言えます。

ただ、ホトケドジョウは水底ではなく水槽の中間部を遊泳することと、肉食性が強いことから、混泳は避けた方が無難です。穏やかなマドジョウやシマドジョウ類と混泳させるとよいでしょう。

また、金魚にもドジョウにもそれぞれ個性があるので、もしかしたら金魚がドジョウを攻撃したり、逆にドジョウが金魚を攻撃することもあるかもしれません。

対策としては、ドジョウが落ち着いて過ごせるように底砂を厚めに敷いたり、隠れ場所となる石を置いてやったりするといいでしょう。

エサは、金魚のエサをドジョウも食べるので、わざわざ別メニューを用意しなくても大丈夫です。

 

ドジョウとメダカを混泳させるコツ

メダカもドジョウと生活する層が異なります。メダカは水槽の上部、水面近くで生活するのでドジョウとの接点はほとんどありません。また、メダカはすばしこく泳ぐので、ドジョウに追い回される心配もないでしょう。

ただ、やはり金魚の場合と同様に、生活層の近いホトケドジョウは避け、マドジョウやシマドジョウ類と混泳させるとよいでしょう。

餌については、メダカのエサをドジョウも食べるので、別のエサを用意する必要は特にありません。
 

川遊びマップ版 ドジョウとの混泳相性レポート

川遊びマップ編集部の水槽では、ドジョウと他の川魚を混泳させています。
ここでは、スタッフの観察に基づいてドジョウと他の川魚の相性をまとめてみました。

フナとの相性
★★★★☆
フナとマドジョウを混泳させています。相性は悪くないようですが、編集部のフナの中にはちょっと大きめサイズの個体がいて(体長25cmほど)、このフナが警戒心強く人が近寄ると水槽内を逃げまどいます。その激しさにマドジョウも驚いて一緒になって逃げまどうので、平穏な生活ではないかもしれません。
ただ、フナがマドジョウを追い払ったり、エサを奪ったりという様子は見られないので、いじめられる心配はなさそうです。

 

ハヤ(カワムツ)との相性
★★★★★
カワムツというハヤの仲間をシマドジョウ類と混泳させています。ちなみに、ハヤというのはコイ科の淡水魚のなかでも中型で細長い体型をしているものをまとめた呼び方です。
この組み合わせはお互い気にせずに共存していて、相性がいいようです。ハヤは水槽の中間部で生活し、シマドジョウ類は水底で生活しているので、ケンカも起きません。

 

貝(石巻貝、タニシ)との相性
★★★★★
水槽の壁面につく藻を掃除するために、石巻貝やタニシを飼っています。相性がいいというより、ドジョウとは特に接点がないため問題も起きないといった感じです。

 

川エビ(ヤマトヌマエビ、スジエビ)との相性
★★★☆☆
ガサガサに行くとたいてい川エビもたくさん獲れるので、水槽に入れて置くのですが、数か月もするといつのまにか川エビたちはいなくなっています。その原因はわかりませんが、ドジョウの生活圏と川エビの生活圏が重なっているため、もしかしたら脱皮直後の無防備なときにドジョウに食べられてしまうのかもしれません。

 

アマゴ稚魚との相性
★★★★★
番外編ですが、編集部の水槽では一時期アマゴの稚魚を飼っていました。体長約5cmまで育ったところで稚魚の生まれた渓流に放流してきたのですが、その短い期間、ドジョウと混泳していました。
ドジョウの生息する流域は中流から下流であり、アマゴの住む渓流にはドジョウはいないため、本来ならばあり得ない組み合わせです。
アマゴ稚魚はいつも水槽上部にいたのでドジョウと生活圏が重ならず、特に問題はありませんでした。

ドジョウ トリビア

ここからは、ドジョウ豆知識をご紹介します。

こはるさんによるイラストACからのイラスト)

 

ドジョウを漢字で書くと

ドジョウって漢字で書けますか?
一般的に漢字で書く時は、「泥鰌」という書き方をします。
泥に潜るのが大好きな魚ですから、名前に「泥」が入るのも納得ですね。
また、「鰌」の一文字でも「どじょう」と読みます。
ほかに、「鰍」は、「いなだ」「かじか」とも読みますが、これも一文字で「どじょう」と読みます。

ドジョウが鳴く!?

「鰌」と「鰍」、どちらもどじょうと読みますが、魚偏(さかなへん)は同じでも、全然ちがう字ですよね。
それなのに、なぜ、どちらも「どじょう」なのでしょうか。
実は、部首にヒントが隠されています。

「鰌」の部首は「酋」
「鰍」の部首は「秋」

見た目は違いますが、どちらも「シュウ」という音を持ちます。
この「シュウ」という音は、ドジョウの鳴き声に由来します。

ドジョウが鳴く!?と、意外に思われるかもしれませんが、ドジョウは苦しい時などに「チュウ」とか「キュウ」という鳴き声を上げることがあります。これはドジョウが腸管呼吸していることで、鳴き声に似た音が出るのだそうです。この鳴き声から、「鰌」「鰍」という漢字になったのです。

最後に(関連記事ご紹介)

ドジョウについてのあれこれを取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
古来から日本人に親しまれてきたドジョウ。
愛嬌のある顔立ちで、水槽の底を泳ぎながら餌を食べる様子や砂に潜り込む姿なども見ていて飽きない、魅力いっぱいの淡水魚です。

川遊びマップでは、他にもドジョウについて取り上げた記事がありますので、ぜひご一読ください。

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