今日もガサガサ日和Vol.70 ~愛しきヘビたち~

2021年1月13日(更新日:2021年1月13日)
ガサガサ

新年から縁起が悪いと思われる人もいるかもしれませんが、2021年初回はヘビがテーマ。
とかくヘビは忌み嫌われていますよね。

以前ある公共施設で小学生たちを対象に、爬虫類をテーマにした環境学習をしようとしてヘビを持参する旨伝えたところ、
「人々が不快感を持つ生き物の持ち込みは禁止」
という反応が役所からあり、仰天したことがありました。

テレビで見たと思うのですが、人は不可思議なものを見たとき、対象を脳で擬人化して安心しようとする作用が働くそうで、ヘビは手足は無いし、長いしと、擬人化しにくいので不安を抱きやすいのだとか。

しかしいずれにしても私にとってヘビは愛すべき存在です。
野外で「ヘビがいる!」と聞けば、アドレナリン噴出で駆け出して捕まえに行きます。
とにかく捕まえたい。

川遊びでも、田んぼや水路でも水辺ではよくヘビに遭遇するものです。
ガサガサしていて、疲れて護岸に手をついて休憩していると、そのすぐ横にヘビがとぐろ巻いていた、なんてことはザラ。
今回は、川遊びやガサガサでよく遭遇するヘビをご紹介します。

知名度・遭遇度No,1アオダイショウ


水辺以外でも人家のまわりでもよく見かけるヘビですよね。
最大2メートルくらいになります。

垂直方向への移動も得意なので、屋根裏や軒下などに棲み付いてネズミや鳥の卵などを、水辺ではカエルなどを捕食しています。

身体が青緑色でとてもきれいです。光沢感がたまりません。

手触りは、他のヘビ同様にツルツル。

腕や首に巻きつけると、えも言われぬ快感に浸れます。
毒はありませんので、噛まれても痛いだけ。
けれど、大人しい性格なので、よほどいたずらしない限りは噛まれません。
我が家では60センチ水槽と植木鉢で飼育しています。

近くの川でお花見中に、堤防の斜面にいるところを捕獲しました。
他の花見客の悲鳴が心地よかったですね。

メジャーなヘビで、色々なものを捕食できるためあまり数も減っていません。
ただ、家屋の密閉度が高まったため、人の生活からは遠ざかっているでしょう。

水辺の荒くれもの シマヘビ


田んぼのいきものでも紹介しましたが、水辺のヘビと言えばこのシマヘビ。
体に黒いシマがはいっており、アオダイショウとは明らかに異なります。

大体はアオダイショウより細く、短いですが、特大のアオダイショウ越えの個体を捕まえたことがあります。

眼が赤くて少し怖い印象。

アオダイショウより気が荒い為、よく噛まれますね。
こちらも毒はないので噛まれても痛いだけ。
噛まれた感じは、画鋲数個で刺されたみたいな感じですかね。
鋭い牙で噛まれるので、血がすぐ出ますが、すぐに収まります。

このシマヘビは、ネズミや鳥の卵などはあまり好まず、垂直移動もあまりしないので、両生類や魚類など、主に水辺の生き物を捕食しています。
ですので、水辺が改悪され、水辺の生き物が減少している今、その数を減らしています。
中々みつかりません。

シマヘビを見つけたら、まだ付近の水辺が正常だと思ってください。

絶対噛まないミニヘビ ヒバカリ


ミミズかと見間違えるほど小さいヘビです。
大人でも30センチほどにしかならず、少し黄色がかった体色です。
私の経験上、噛むことはありません。

少なくとも私は噛まれたことはありません。
ミミズ感覚で触れ合ってみましょう。

こちらもほぼ水辺の生き物を捕食しています。
メダカ、カエル、あとミミズとか。ヌメヌメした感触のものを好むのでしょう。
湿った暗い環境を好みます。
日陰の石の下とか、流木の下とかにとぐろを巻いていますので、探してみましょう。

爬虫類は変温動物なので、冬季は冬眠します。
冬眠する場所は温かい場所ではなく、温度変化の少ない場所。
体力の消耗が抑えられる場所ですね。

いつかも、大きな玉石をどかしたら、その下にヒバカリが何匹も固まって冬眠していました。
この状態を「ヒバカリ団子」といいます。


イモリ団子やカエル団子の場合もありますね。
冬眠しやすい所には、みんな集まってきますから。
生きたエサしか食べないので、飼育にはメダカやオタマジャクシを常備しなければならず、
難易度高いです。

美しきには毒がある ヤマカガシ


緑とオレンジ色が鮮やかな毒ヘビ、ヤマカガシです。
河原や田んぼなどでよく見かけます。
その美しさに、見つけたときはハッとします。
ヘビは変温動物ですから、動き出す前に、日光浴が必要です。

見つけたいときは、午前中、日当たりのよい畦道や土手の斜面に行ってみましょう。
日光浴中のヘビたちに出会えます。

みつけたら、かなり早く逃げるので、見失わないように追いかけ、逃げ場に追い込みます。

そして、尻尾から捕まえ、噛まれないように注意深く頭の後ろをつかみます。

はだしやサンダルなど肌の露出が多い場合は危険なのでやめましょう。
ウェーダーや長靴の時をお勧めします。
間違って踏んで噛まれても大丈夫。

いずれにしても、ヘビを捕まえるときはリスクはつきもの。
その覚悟をもって、自己責任で触れ合いましょう。
写真では例としてヤマカガシを掴んでますが、毒ヘビには近づかない、触れないのがよいです。
毒ヘビには絶対マネしないでください(説得力ありませんが。。)。
ヤマカガシは首の周りにも毒があります。
もし万が一、ヤマカガシやマムシなどの毒ヘビに噛まれたら、どんなヘビに噛まれたのか覚えておいて、直ちに医療機関を受診しましょう。
応急処置としてポイズンリムーバーなどを使って、傷口から毒を吸引するとか、流水で押し洗いして毒を押し出す等してください。

今、ヘビを見つけるのは至難の業です。

ヘビは水辺の生態系の頂点にいます。
ヘビが減るという事は、エサの両生類や魚類が減っていることになりますし、
それらのエサや植物、生息環境が減っていることにつながります。

見た目が気持ち悪いというだけで毛嫌いしたり処分せず、苦手でもいいから、見守ってほしいですね。
カワイイやつらですから。

川遊びマップ
伊藤 匠

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