暫くガサガサに行けてない間、何をしていたかというと、川遊びマップを運営する私たち「一般社団法人ClearWaterProject」はオフィスの引越しをしていたのです。色々と快適になった中で私が一番心踊っているのが応接ルームに設置した90センチ水槽×2基。
ピッタリでしょ? 濾過装置は迷いましたが、スペースと見た目を考えて上部濾過に。中には新たに濾過材を追加購入して敷き詰めます。照明もメタハラが欲しかったけど、早々に断念してLED。廊下に面している外光が思いの外明るいので、水草が育ってくれるといいなと。
新オフィスは名古屋市の天白川流域にあるので、一つの水槽は天白川流域の生き物を、もう一つは私のガサガサ網果を入れる水槽とすることにしたのです。「豊かな水辺環境と水辺文化の創造」を掲げる私たちのオフィスで、地元流域に棲む生き物たちが見れるなんてとても理にかなっている。来客者にも理念を伝えやすい。え?ただ自分が遊びたいだけだろうって? 何言ってるんですか。そんなことない。。
そして今日。カワサポ登録団体の宮田師匠と共に川へ。来年、宮田さんと共に実施を予定している流域体験学習のフィールドの下見も兼ねています。今回の目的は「オヤニラミ」。まだ私は採ったこともなければ、見たことすらありません。
増水した川はいつもの川とはまるで違います。魚がいるポイントも、簡単に降りられたはずの浅瀬も、緩やかなはずの溜まりも見る影もない。ですから慎重に慎重に。急な流れを避けて魚たちは岸辺のえぐれた奥の方に逃げ込んだり、流れが緩やかになる植生の隙間に逃げ込みます。そこを狙う。
夢中にガサガサして、タモ網上げて獲物を確認し、移動してまたガサガサしてを繰り返し、上気して身体を起こすと、色付き始めた木々が優しく目に映ります。川面を駆ける風が心地良いひと時です。
そしてそして網果は、、
オヤニラミ、大漁です。なぜこの川にはこんなにオヤニラミがいるんだ! ヌマチチブもたくさんいたなー。いつもならもう持って帰らない魚や虫も今日は殆ど持ち帰ります。
今日の川にはタニシやヌマエビなど、水槽を維持するのに欠かせない生き物たちがいませんでした。川が綺麗すぎるんです。上流部に近づけば近づくほど、川の生き物の種数は減ります。採れる魚は限られてきますし、タモ網じゃなくて釣竿が必要になってきます。水は澄んで綺麗ですが、やはり僕は、ガサガサに関して言えば中流域の何が棲んでいるのか、何が網に入るのかわからないくらいの色の川が好きですね。
タニシはやはりいるので、帰路、田んぼの水路で採取。宮田師匠から、ヒメタニシ、マルタニシ、オオタニシ、スクミリンゴ貝の同定試験をされています。ん〜難しいなあ。。マルタニシはスクミリンゴ貝に似ているため、よく間違われて駆除されてしまうのだとか。
さて、とりあえず採取は目的を果たしたので、事務所に帰って魚を水槽に投入だ!!
そしてこれが初めて生き物が入った水槽〜!
広い川に棲んでいた生き物を狭い水槽という箱に入れるんです。激しい食物連鎖にさらされるわけですが、それぞれの生き物がきちんとテリトリーを作れるレイアウトをしてやれば、採取環境の再現は不可能ではありません。その工夫をすることで、生き物の習性や生息環境条件などを知る手がかりにもなりますし、より一層、生態系や周囲の自然環境に関心を持てると思うのです。知らなければ守れませんからね。
この水槽もどう変化していくのやら。今度はスタッフで天白川探検隊をやって、天白川水族館を作ります!
伊藤 匠