今日もガサガサ日和 Vol.50 〜水面下の大自然

2017年8月23日
ガサガサ泳ぐ

今回は、ウェーダーではなくウエットスーツを着て、麦わら帽ではなくスノーケルを付け、タモ網ではなくデジカメを手に、いつものワンドにやってきた。事あるごとに「水面下には外からはわからない大自然が広がっている」と述べているが、それをわかりやすくお伝えしたい。

いざ、ワンドの中へ

薄曇りの天気だが、蒸し暑く、スノーケリングにはもってこいのコンディション。中学生の頃から使っていたスノーケルが限界を超えたため、モンベルのスノーケルを新調した。さて、具合はどうか。いざ、潜ろう。

水中は、地上からでは想像できない、正に別世界が広がっていた。すぐに近く多くの魚が泳いでいく。アドレナリンが放出される瞬間だ。

ワンドは流れがなく、底に泥や落ち葉だとかが堆積しているため、それらを巻き上げないようにそっーと泳ぐことがクリアな視界を保つコツ。

ガサガサしている場所を想像してみる

やはり、水際に繁茂する植物の根元や岸辺のえぐれた場所、隠れ場所の多いところ、上から見えないところに魚は多いのがよくわかる。こういうところをガサガサするのである。泳いでいるのはカワムツ、ヌマムツ、オイカワが確認できる。

ガサガサをするのは正にこう言う岸側の込み入った場所だ。魚が鳥の脅威から姿を隠せる茂みのあるところだ。

水面上の様子
同じ場所の水面下の様子
水面上の様子
同じ場所の水面下の様子
水面上の様子
同じ場所の水面下の様子

水の中にも森がある

一部、キクモが繁茂していた。沈水植物を見かけることが少なくなった昨今、嬉しい光景だ。キクモは楚々としてとても日本的な水草だと思う。このワンドからどうかなくならないでほしい。昨年はここに自生していた記憶はないから、勢力を伸ばしているとすればとても嬉しい。


水草は地上からはあまり見えないし、まあ地味な存在だから、あまり関心を持たれない。しかし、水草、殊に沈水植物の環境に果たす役割は極めて大きいのだから、大切に守っていきたい。

振り返れば、今度はアユの大群

お次はアユの大群のお出ましだ。サイズはあまり大きくない。今期放流した個体か、稚魚放流した分の溯上個体か。時折、石についた苔を食んでいる。そういえば、本流の瀬では友釣りの釣り客をよく見かける。

 

激写オヤニラミ

このワンドでよくとれる、オヤニラミを撮りたいと思っていたが、遊泳タイプではなくて縄張りでじっとしている魚なので心配していた。身を隠されたら撮影できない。岸辺によって行ってしばらく動かずに待つ。すると、目をひくカラーリングの魚がヒラヒラと出てきた。オヤニラミ。未成魚ぐらいのサイズ。一匹で流木の間を行ったり来たり、尾びれを曲げてじっとしたり。それにしても、独特のと色彩だ。異色の日本淡水魚である。

はじめ、このワンドを見つけたのはタナゴを探していた時のことである。この地方では生息するはずのないイチモンジタナゴを探していて見つけたワンドで、タナゴはとれなかった代わりにオヤニラミがとれたのだ。

激写? イチモンジタナゴ

過去、何度も訪れているが、このワンドでとれるのは、カワムツ、ヌマムツ、オイカワ、アユ、ウグイ、ヨシノボリ類、オヤニラミ、スミウキゴリ、ギンブナ、カジカであり、タナゴはとれたことはない。しかし、もともと探していたのはイチモンジタナゴである。アユの放流やマニアの移植によってやってきた国内移入種だ。

やっとの事でオヤニラミを捉えた後、もっと大きな個体はいないかと流木の間を探してみる。岸辺によって、茂みの下を進む。

すると、オヤニラミのような小判形のフォルムだが、明らかにカラーリングの違う魚が数匹横切った。もしや?と思って追いかけてカメラを構えて追いかけると、、

明らかにイチモンジタナゴである。エラ蓋付近の斑紋から尾びれの付け根にかけてラインが伸び、吻は細くなっている。どう見てもイチモンジタナゴだ。興奮で、吐く息の泡で視界が煙る。やはりいるのだ。確認できたのは5匹のみで、これはタモ網を持ってたとしても捕まえるのは中々に難しそうだ。水中で見獲りしようとするなら、網目の荒い、水抵抗の小さい玉網がないと難しいだろう。

潜ってみなけりゃわからない

いつもは、水面より上から水面下を想像し、想像力を膨らませて魚取りを楽しんでいる。その想像力の正確さは、経験によってある程度精度が高められていくものだろう。釣りにも通じることかもしれない。しかし、たまには水面下に潜ってみるのもいい。過信していた想像力が、実はまだまだ乏しいと思い知らされるのだから。

川遊びマップ編集長
伊藤 匠

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