自分だけの秘密のポイント
どこの川のどこで網を入れれば●●が獲れる、といった自分だけのポイントが無数にある。そういう場所を持っていると、環境学習とかでタモロコが●匹いるとか、ミナミヌマエビが●匹いるという事態になっても対処がつくので助かるものだ。そんなポイントも、河川改修などで跡形もなく真っ平らにされていたりすると怒りを通り越して泣きたくなる。毎回、訪れる度にどうか残っていてくれと祈りながら向かうのだ。
さて今回は少し地元から離れ、車で2時間。どうしても見たくなった2種の魚を取りに来た。寒いし雨なのだが来てしまった。増水で多少の危険を感じながら網を入れてみる。
ムギツク
私の住むエリアには住んでいない魚、ムギツク。やはりここにはたくさんいる。体の黒い条が美しい。この写真の個体は未成魚で背びれや尾びれが赤く染まっているのがわかる。正面から見ると口(吻)は扁平しておりキツネのようなルックス。
水槽で飼っていると水面に浮かぶ餌をカツッカツッと音を立てて食べるのが印象的だ。地元ではとれない、ということもあってとても好きな魚なのだ。
これまでとったムギツクは大きくても10センチオーバーくらいだが、水族館では20センチくらいの個体がいて仰天する。
ギギの赤ちゃん
そして私の一番好きな魚、ギギを探す。私の住む地方でも国内外来種として定着しているが、本場はこのエリア。赤ちゃんを見つけたかったのでいつもの場所に来てみた。先回来たのは1年以上前だがその時はもういらない、というほどに赤ちゃんが入った。
今回はコンディションが最悪だったので諦めていたが、なんとか一匹だけ入った。まだまだ稚魚のサイズだがしっかりと大人と同じ模様が入っていてカッコイイ。ここから30センチほどまで成長する。
丈夫で飼育も難しくない。ナマズの仲間で水から上げると胸ビレを擦り合わせてギッーギッーと鳴くような音がする。思いの外大きい音がするからびっくりする。胸ビレの外側に鋭い棘があるから持つ時は注意が必要だ。
我が家では今、10匹程飼育しているが、サメみたいで最高にカッコ良いのだ。上の写真2点は我が家のギギの一匹。30センチ弱ある。
テナガエビにカマツカも
目当てのムギツクとギギが取れたので大満足。その他には、カマツカ、ニゴイ、カワムツ、テナガエビなどの超常連も入った。
生き物はその地方ごとにとれる種類が異なるから面白い。そこに行かないととれない生き物がいるからわざわざ出かけていくのだ。
川遊びマップ編集長
伊藤 匠