今日もガサガサ日和 Vol.63 雨夜のカエル探し

2019年7月29日(更新日:2019年7月29日)
ガサガサ

カエル探しの季節

ゴールデンウィーク前後になると、各地の田んぼで代掻きが行われ、水が張られて水田になっていきます。そしてどこからともなくカエルたちが湧いて出て、あたり一面、カエルの大合唱。そうなってくるワクワクしてきます。カエル獲りの季節到来です。

ご存知のように、カエルは卵〜幼生(オタマジャクシ)は水の中、成体になると地上で暮らします。水中と陸上の両方生きる場所が必要なので「両生類」です。先回Vol.62でも書いたように、自然とは自然の連続で成り立っています。まさに両生類はその恩恵にあずかる典型で、水辺と森が断絶していたら生息できません。環境破壊の影響を最も最初に受けるのはこの両生類たち。魚は水があればなんとか生きていける、カブトムシは森があればなんとか生きていける。けれどカエルはその二つがあって繋がってないと生きていけません。

自然環境の激減、圃場整備によってカエルは段々と数を減らしています。今普通に見られるニホンアマガエルが10年後、希少種になっていてもおかしくありません。見れる時にたくさん見ておきたい。そんな思いもあって、ゴールデンウィークから夏はガサガサと平行してカエル探しに熱が入るのです。

野山のカエルを見つけるには

夜の田んぼでトノサマガエル、ニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエル、ヌマガエルをゲット

カエルには、水辺で見つかるものと、野山で見つかるものとがいます(生活している場所と見つかる場所は別です)。ですから、探す種に応じてフィールドを選ぶ必要があります。ニホンアマガエルやトノサマガエル、ダルマガエル、ツチガエル、ヌマガエル、シュレーゲルアオガエル、カジカガエルなどは水辺。ヒキガエル、ヤマアカガエルなどは野山。水辺のカエルはこの時期、夜の田んぼに行くと多く見つかりますが、野山のカエルを見つけるには少しコツがいります。

闇雲に野山に分け入っても、保護色でわかりゃしません。大切なのはタイミング。日中の気温が暑いと思うくらいに上がった雨の降る夜、車で山道へ出かけます。最徐行の遅さで走り、ヘッドライトに照らされた路上や道端に目を凝らすのです。すると、しゃんと座った形のカエルの姿が浮かび上がります。そんなの判別つくのか?と思われるでしょうが、不思議と間違えようがないのです。

車からカエルの姿を確認したらすぐにヘッドランプをつけて見にいきます。この繰り返し。

野山のカエルの代表格、ヤマアカガエル

野山で見つかるカエルの代表格はヤマアカガエル。その名の通り、山に棲む赤い身体を持つカエルで、生体だと大きさはトノサマガエルくらいはあるんじゃないでしょうか。この日はヤマアカガエルの赤ちゃんがわんさか見つかります。

僕はこのヤマアカガエルがとっても好き。色が素晴らしい。普段は中々見つからないというレア加減もいいですね。

もう一つの代表格、ヒキガエルは最近中々見つかりません。今シーズンはまだ見てないです。何年か前は何匹も見つけていたのですが。仲間に聞いても、ヒキガエルは数を減らしているんじゃないかとのこと。最近のニュースで生息していないはずの北海道でヒキガエルが繁殖していて生態系に影響を与えていると報道されていましたが、温暖化で生息エリアが北上しているのでしょうか。色んなところで歪みが出ているようです。

カエルハウスで自然な状態で飼育

カエルの飼育はちょっと大変。なぜなら生き餌(動くもの)しか食べないからです。しかし、息子が七夕の願い事に「カエル博士になりたい」と書いていたこともあって、奮起してカエルを自然の状態で飼育する小屋を作ってみることにしました。餌となるコオロギや虫も放しておけばいいですからね。名付けてカエルハウス。どこかの動物園で同じようなのが設置されているのを見た覚えがあります。

側面と天井をメッシュで多い、寸分の隙も無いようにコーキングします。カエルは逃げなくても、餌が逃げると困りますからね。中には植物や水辺を作ります。

樹上生とカエルと地上生のカエルがどちらも暮らせるようにしているつもりです。

 

トノサマガエルが数匹。

ニホンアマガエルが数匹。アマガエルの鳴き声はとても大きく、こんなに小さな体でよくあんなに大きな鳴き声を出せるもんだと関心するほど。しかしそのために、夜通しアマガエルが鳴いたため隣家から苦情が来てしまいました。仕方ないので、数を減らすことに。

シュレーゲルアオガエルも数匹。名前から外来種のように思われのすが在来種ですね。

その他には、ヤマアカガエル、ヌマガエル、ツチガエルなどが棲んでいます。このカエルハウスで越冬してくれるかわかりませんが、そうなったら嬉しいですね。

この時期はどこに出掛けても生き物いっぱいですが、雨夜のカエル探しも楽しくて興奮します。親子でやったら盛り上がること間違いなし。是非、夏休みにお試しください。

伊藤 匠

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