今日もガサガサ日和Vol.68 ヤマトヌマエビ ~初めての獲物~

2020年10月8日(更新日:2020年11月13日)
ガサガサ

長くガサガサをしていると、殆どこの地域の魚は獲ったことがあるようになってきます。
エリア外の魚は未知だったりしますが。
すると、魚とりを始めた時のような、ワクワク感、高揚感がなくなってくるのです。
何を獲っても初めましてで、歓声を上げたくなるあの瞬間。

息子を見ていると今がその時のようで、何が獲れても大喜びをしている。
正直、羨ましいです。
何だか、答え合わせのようなガサガサが続いているのです。
こういう川にはこういう生き物がいるよね、と思いつつ川に入ると、案の定、想像した生き物が獲れる。
経験を重ねる、という事と言えばそうなのですが、やはり寂しい。

こんな所にこんな生き物が! という嬉しい誤算、と言うやつもあるにはありますがね。
昔はカワムツを獲っただけでも、図鑑と見比べて雄たけびをあげたものです。
カワヨシノボリを獲っただけで、その美しさに惚れ惚れしましたね。
そんな感動を味わいたくて、寸暇を惜しんで水辺に出かけたものです。
最近はもうそんなこともあまりなくて。。

などと思っていたら、あったのです。
心躍る発見が!
九月に入ってから、家族と少し上流の川へ泳ぎに行ったときのこと(ガサガサ以外の川遊びもちゃんとしてます)。

こういう川なら、ヨシノボリ、アブラハヤ、ドンコだろうと高を括って、真剣な顔で泳ぎやガサガサ始める息子を川岸から眺めていました。

息子も中々手付きがよくなってきたわい、と思っていると、やはり少しウズウズしてきます。
まあ、せっかくだし少しやってみるか、と、川岸の草むらをけりまわします。

網の中を見つめると、
「あっっ!」
と、思わず声が出ます。
これまで見たことのない、エビがたくさん跳ねているではありませんか。

ミナミヌマエビやミゾレヌマエビといったよく見かけるヌマエビとは明らかに違う。
スジエビとも違います。

身体は大きく、身体の側面に朱色の点線が入っています。
ヤマトヌマエビに違いありません。

上流河川、渓流と呼ばれるくらいの川に生息する回遊性のヌマエビです。
有名なはずなのに、これまで獲ったことがありませんでした。
何故か、獲ってやろうという気概もなかったのです。

いやぁうれしかったですね。
叫び声を聞きつけた息子も興奮し出して、一緒にヤマトヌマエビを獲りまくりました。
数匹持ち帰って、飼育してしっかり観察したいと思います。

同じ場所で、お目にかかるの二回目となるナベブタムシにも出会いました。
これもうれしかったですね。

後どれだけ、こういった初めましての興奮を味わえるかわかりませんが、この瞬間にこそガサガサしてるんだなぁ、と改めて思えるヤマトヌマエビとの出会いでした。

川遊びマップ
伊藤 匠

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